神子原米(みこはらまい)が大ブレークしている。
通常のコシヒカリに比べ3倍の値段にも係わらず予約が殺到していると言う。
昨今では世界的なフランス人ソムリエ、ジュラール・マルジョンが神子原を訪れ、神子原米で作った日本酒をアラン・デュカス・グループのレストランで採用するなどその人気は海外にも拡がっている。
この評判づくりには仕掛け人がいる。
神子原は羽咋市(人口24,000人)に位置する限界集落。05年に市長からこの地区を活性化することを命ぜられたスーパー公務員・高野さんだ。スタッフは本人と兼任一人の1.5人。年間予算僅か60万円だけという凄い条件をものともせず、高野さんは挑戦する。
高野さんは弱みを強みに変える逆転の発想で臨む。まずテーマとして以前から美味しいと地元の人々から評価されていながら年間わずか700俵しか取れない「神子原米」を全国ブランドに育てようと企てた。更に猛勉強をして国の補助金獲得に挑戦し、市の予算の10倍強(7,000万円)を獲得する。
神子原米は、昼夜の寒暖の差が厳しい気候、豊富な雪解け水の清流が流れる小さい棚田で、化学肥料を使わずに丁寧に作られている。高野さんはその美味しさと希少性を生かすこと。そして最大の戦略として「神子原米」のネーミングを生かすことを考える。まず天皇陛下に献上しようと試みたが断られると、なんと今度はローマ教皇に献上することを思いつき見事成功する。「神の子が宿る地域で生まれた神聖なお米」が説得のポイントである。このことがメディアに次々と紹介されると知名度が一気に高まった。
その後注文が殺到し、通常の3倍の価格にも関わらず用意した500俵がわずか一ヶ月で売り切れ、そのお陰で初年度にもかかわらず農家の収入は2.8倍にもなった。そして今では農家出資した会社は、年間売上目標1億円をめざすほど勢いづいているという。
また、神子原村に一日80名以上の見学者が訪ね(一人1,000円)、それを目当てに村には新しい店がオープンした。すると他県から多くの若者が移住し始め、社会的・文化的な活性化も進んでいる。
スーパー公務員の仕掛けが見事に開花したわけだが、そのノウハウを学ぼうと全国の限界集落の担当者が神子原を訪ね、"研修所"として人気を博しているという。
高野さんの指導を受けた多くの公務員から新たなスーパー仕掛人が育ってほしいと切に願っている。
2010/09/30|コメント(0) |トラックバック(0)
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