第51回 パタゴニア式正しいプロセスと誠実さ
【今回のコラムは第57回当研究会セミナー(2010年1月開催)にてご講演いただきました、パタゴニア日本支社の藤倉克己様にコラムをご執筆していただきました。】 パタゴニアは、カリフォルニアに本社を置く合衆国法人である。その創設者であり、現会長であるイヴォン・シュイナードは、20年も前から我々社員にこう教えてくれた。 「パタゴニアのビジネススタイルは、日本のゼン・アーチェリー(弓道)のごとくである」。 最初に一度的(まと)を見据えた後は、すべての正しいプロセスに集中する。呼吸を整え、正確な歩幅、腕の位置、矢の高さ、引く力。矢を射る直前になって再び的を見て、最良のタイミングで、放つ。彼は続ける。「すべてが正しければ、矢は的に向かうであろうし、仮に的を外れたとしても、原因が理解し易く、早期に修正がきく」。アメリカの企業である会社のアメリカ人である経営者からの言葉である。 企業は、成果というものを期待される。パタゴニアも同じである。しかも必然の結果としての成果である。偶然性を排除して成果を上げる方法としては、この「弓道方式」は確定要素に守られている。 「正しいプロセス」を履行することは、決して楽ではない。パタゴニアでの正しいプロセスとは、何を基準にするのだろうか? パタゴニアのアメリカ本社では基本的に、誰に対してもほぼ全面的な見学を開放している。コア・バリューによって経営全般が不都合であるべきではないから、競争に身を置くことを優先しなくてもよいからである。パタゴニア式の「評判」は、常にバイプロダクトであるが、その評価は常に誇れるものであるように心がけている。 (2010年6月22日更新) |
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