評判づくり研究会
研究会についてプログラム内容ブレーンリストセミナーのご案内コラムお問い合せ
過去セミナー開催一覧

第2回セミナー概要(2002年5月23日開催)

プロデュース感覚と響創(モンタージュ) 加藤 和郎 氏
講師:株式会社NHK情報ネットワーク チーフプロデューサー
    加藤 和郎 氏

 

(講演概要)
コンテンツといわれるものは、常に一品物づくりであり、ほとんどが異業種専門職のコラボレーションによって成り立つ。それをまとめるのがプロデューサーである。プロデューサーとは、
 ・人と人をつなぐ人
 ・何かを見つけてきて、何かをやろうとして、組み立てられる能力のある人
 ・何かを組み立てたら、おもしろいなと思える人、やり遂げる人
 ・発想と発想をミキシングする能力を持っている人

異種なる個性が響きあったとき、あるいは、異種なる才能の響き合いによって生まれる成果物は、映画のモンタージュに似ている。1+1=3以上という意外な効果。それを私は『響創』と呼ぶ。共作は足し算の効果だが、響創の結果は掛け算になる。
※「響創」 → 科学技術庁 科学技術政策研究所「創造する経営」(加藤氏の論文掲載。学術用語として登録。)
  <モンタージュ(映画技法)>
    A場面とB場面はなんら関係がないのに、それらをつなぎあわせることで、違った効果が現れる。
     Ex. ピストルを構えて撃たれるシーン
      ピストル → ビル → 音 → 血だらけの死体 (それぞれを貼り付けて、印象付ける)

●コラボレーション = 共働、共作
例えばものすごく大きなキャンパスを複数の人が別方向から作業を進めていくこと。これでは単なる共同作業にすぎない。何かを仕上げるとき、発想の時からコラボレーションする必要はない。
 Ex. 中原バレエ団 「香舞」
  香りとダンスのコラボレーション。違う五感のもの「視覚+聴覚」を張り合わせる。

●響創 = 響きあうこと。
ある人が何かを表現したら、それに引きずられて何かを表現すること。
 Ex1. 画家と音楽家の「青」
  違う感覚のものからある感覚に落とし込んでいく。
 Ex2. 有料霊園の広告で小さん師匠を起用した看板
  逝去前と後では伝わる印象がちがう。 → 同じ人間が同じ行動をしていても、受け手の状態・状況・時間に違いによって、その印象が
                            変わってくる。

 <広告にみる響創>
   Ex1. JR九州
    スチール「電車のあかり」   コピー「愛とか、勇気とか、見えないものを持ってくる」
   Ex2. 安田火災海上保険
    スチール「冬のスケート場で一人の子どもが微笑んでいる」   コピー「笑顔があれば、言葉はいらない」
   Ex3. カネボウ
    スチール「裸の女性が足を抱きかかえている」   コピー「20世紀は、機会の音が聞こえた。21世紀は、心臓の音が聞こえてくる。」

 <まさに響創 「あめのうた」>
  雨が落ちる場所によって、音が変わる。
  二物の性質が離れているほうがいい。
  響くためにはできるだけ離れていて、隙間があったほうがよい。

 <俳句にみる響創>
  俳句は二者映発、二者衝撃(取り合わせ)によって、17文字に無限の広がりを与える。モンタージュの文学だと言われる。
   Ex. 「古池や 蛙飛びこむ 水の音」
      「古池」 → 大ロングの視点
      「蛙」 → とびこむ
      「水の音」 → 説明なし。静寂から音がしてはっとして我にかえった。
     池と蛙の二物を衝突させることによって、無限の波及を生み出し、17字に無限の拡がりをもたせている。

  ・感覚の違いの面白さ・・・この俳句を英訳。蛙は単数?複数?
      日本人の感覚 → 蛙は1匹
      外国人の感覚 → 池のまわりに蛙が1匹でいるはずがない(にぎやかな古池に)

●六眼(りくげん)で見つめよう。【密眼・獏眼・童眼・洞察眼・慈眼・自在眼】
物事をいろいろな角度から見てみよう。
 ・密眼(クローズアップ)
 ・獏眼(ロング)
 ・童眼(子どもの眼、ローアングル、好奇心の眼)
 ・洞察眼(大人の眼、遠くてもわかる、後ろ側を見なくても予測できる眼)
 ・慈眼(慈しみのある眼、母が子を見る眼)
 ・自在眼(自在に動き回ってみる眼)
   → これらが全て備わっていれば、テレビも撮れる。
   Ex. 水差しを見る
    大人の眼(洞察眼)からは水差しの形しか見えないかもしれないが、子どもの眼(童眼)からは、下からのぞき込むことによって水差しの
    中の玉響が見える。
     → 見る場所によって見え方が違ってくる。さらに心の目をつかって見ると、かなりのものが見えてくるはず。

●『プロジェクトX』がヒットしている理由は、巧妙な構成にある。
懐かしい映像 × 耐え抜く美しさを煽るコメント × 淡々とした語り×琴線を爪弾く音楽

「日本人の泣かせどころ(ツボ)を心得た現代の浪花節」
・コールドオープニング
  ナレーションから入る。ファーストカットが家族。父母の声から入るのはすごい計算。
  ある程度、見る側をあおってから乾いた印象のタイトルを入れる。
・ステンレスのように冷たい印象のタイトル
  切れるイメージ。
・マイナスなことの中で、それでも成功した人の話
・中島みゆきの歌
  無名の人々の成功を歌にしてほしい。 →草原のペガサス、街角のヴィーナス
  コンセプトだけでイメージして、これほどの想像力歌がはまった。
  さらに、はまるところ、効果の高いところでかっこよく使っている。
・コメントが恐ろしく「臭い」
  浪花節の心地よさ。
・今は慣れてしまったもの、当たり前の物事について、最初のときを考えてみようよ

●“伝説の音楽プロデューサー”酒井政利氏との出会い
女性のプロダクション社長が「うちの子を見てください」と。売れたらニュースにするけど、売れるかどうかは、私は音楽家ではないからわからない。そこでソニーの酒井さんなら一目見てわかると思うから行ってみたらと女性社長に進言。「NHKの人がうちの子を見てくれる」ということで酒井さんのもとへ行き、「そんなこと言う人の顔が見てみたいから、その人の所へ連れてって」ということで初めて酒井さんとお会いし今日に至っています。何かをやるときには看板は大事です。酒井さんとはジャンルは違ってもおなじプロデューサーとして、お互いに利用しあい、響きあっています。皆さんも響きあっていきましょう!

ページトップへ
Copyright (c) 2006 PR KOMBINAT INC. サイトマップ個人情報保護方針個人情報の取り扱いについて 

主催:PR会社 ピーアールコンビナート株式会社