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第67回セミナー概要(2011年9月29日開催)

「NPOと考える社会とのコミュニケーション」
  ―トイレを通じた環境・文化・教育・健康―
加藤篤氏
【講演者】 NPO法人日本トイレ研究所 代表理事
       加藤 篤 氏

 

加藤篤氏

■日本トイレ研究所とは?
「トイレ」をとおして社会をより良い方向へ変えていくことをコンセプトに活動しているNPO法人です。トイレから、環境、文化、教育、健康について考え、すべての人が安心してトイレを利用でき、ともに暮らせる社会づくりをめざしています。

≪NPOと企業が活動することの意義≫
・ユーザーへの訴求力がある、伝えたいことをより多くの人に届けることができる。
・プログラム、教材、伝達力などの質が高まる。
・専門家、企業(営業、開発、企画等)、行政など、様々な立場・分野の人が横断的、
 立体的に関わることで、活動が深まり、広がる。
・企業、NPOそれぞれにおいて、働く意欲が高まる。


■ケーススタディー1:「楽しく学ぶ防災 いざ!BOUSAI」
(実施パートナー:あいおい損害保険株式会社ほか)

【課題】
企業が市民と交流しながら本業を活かした地域貢献を実施すること。

【プロジェクト概要】
都市型観光商業施設において、来場者体験型の楽しいイベントを通じた防災対策プロジェクト。

【プロジェクトの方程式】
●地域住民・来場者 × ●地域企業 × ●行政 = 防災に対する意識向上

東日本大震災でも問題になりましたが、水・食料等の確保同様に、トイレ機能の確保も重要な課題です。このプロジェクトは、トイレから防災全体をフォーカスしたイベントで、多くの来場者から好評を得ました。
また、NPOが中心となってイベントを企画したことにより、恵比寿ガーデンプレイスなどの商業施設を利用させていただけたことや、恵比寿にオフィスを構える同業他社も協力していただけるなど、街ぐるみで防災意識を高めることができました。

 

■ケーススタディー2:「うんち教室」
(実施パートナー:王子ネピア株式会社)

【課題】
「学校でトイレに行けない、うんちが出来ない」という風潮があり、排泄をガマンすることで、精神面や身体面に悪影響を及ぼしていること。

【プロジェクト概要】
自分のからだ・健康とうんちのつながりを学び、「トイレ・排泄は大切である、トイレに行くことは恥ずかしいことではない」という心を育み、健全な学校生活を送ることのできる子どもの育成を目指すプロジェクト。


【プロジェクトの方程式】
●学校(教師・児童・保護者) × ●企業 × ●教育委員会 = 排泄に対する意識改善

このプロジェクトは、学校の授業の一環として実施してもらうことです。
企業とNPOが連携してプログラムを組み立て、提案することで学校に受け入れてもらうことができました。
うんち教室は、年間5校程度での実施のため、広がりが限られています。そこで、この活動を広める方法として一般教諭や養護教諭を対象に「うんち教室研修会」を開催する仕組みをつくりました。2007年からスタートして、2010年までに7,091名の児童がうんち教室に参加しました。



■ケーススタディー3:「小学校のトイレぴかぴか計画」
(実施パートナー:小林製薬株式会社)

【課題】
学校のトイレは、くさい、暗い、怖い、汚い、壊れているなど、マイナスイメージの象徴となっている。

【プロジェクト概要】
児童にトイレを大切に使うことの意味を伝えると同時に、トイレを明るく安心して行ける場所に変えるプロジェクト。

【プロジェクトの方程式】
●学校(教師・児童・保護者) × ●企業 × ●教育委員会 = 排泄しやすい環境を整備

文部科学省のデータによると、築30年以上経過した校舎が約半数あります。つまり、多くのトイレはかなり古い空間・設備であることが推察されます。暗くてくさいトイレが学校にあれば、排泄することを我慢しても仕方がありません。

しかし、学校のトイレ整備にはお金がかかります。文部科学省や教育委員会も努力はしていますが、トイレが整備されるまでに何年も待たなければならない学校も少なくありません。
そこで、企業とNPOが連携し、新しい手法でトイレのイメージを変える取り組みを始めました。実施方法や改善効果を教育委員会に説明し、賛同を得ながらプロジェクトをすすめていきました。
全てのトイレを一新することは費用的にも難しいので、このプロジェクトでは一部の便器の洋式化を行い、においの元となっている床を改修し、足型シールやマナーアップシールでトイレ空間のイメージを明るく変えていきます。



食べることと、排泄することは表裏一体であるにもかかわらず、トイレや排泄のことは忘れがちです。
今後は、これまでのトイレのプロジェクトのノウハウを活かして、トイレ・排泄に関する様々な問題を改善すると同時に、トイレや排泄の大切さをアピールする仕掛けについても模索していきたいと思います。

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