ピーアールコンビナート株式会社

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社員対談

ようやく巡ってきた社会機運を迎えて
PRが“サステナブルな社会実現”
に向けて出来るコト

執行役員/PR1部 部長

三樹 祐司

Yuji Mitsugi

PR2部 コミュニケーション・ディレクター
二味 崇
Takashi Futami

持続可能な社会実現に向けて、企業の取り組みはますます重要視されるようになっています。
ピーアールコンビナートでは、企業の「評判づくり」の一環として、サステナビリティに取り組む企業をコミュニケーションで支援しています。サステナビリティに精通する社内チーム「サステナビリティコミュニケーションチーム」に所属する三樹祐司と二味崇が、ESGやSDGsなど昨今の社会ニーズを交えて、PRができること、求められていることについて語ります。

学生の頃から、それぞれの思いを持ち続け、サステナビリティの機運を迎えた現在

三樹祐司(以下、三樹):私がサステナビリティに興味を持ったのはいつのことなのか、遡ってみると小学生の頃でした。小さな頃から科学や自然が好きで、小学校高学年の頃、酸性雨やオゾン層破壊の問題が巷でかなり取り沙汰されたんです。それで地球に危機感を抱いたのがきっかけです。
大学生の頃は、環境問題への配慮について社会意識が徐々に高まってきた時期。多くの企業が環境報告書を作り始めており、かなり変わっていると思うんですが、企業がどのように環境問題に取り組んでいるのかが気になって、けっこう読み漁っていました。

その頃、漠然とではありますが、企業の活動は、単にモノを売ればいいというスタンスではいずれ立ちゆかなくなるだろうと思っていて。じゃあ今後、企業はどう変わるべきなのか、という関心事があったんです。それで、環境にいい取り組みをしている企業の製品を買ってもらう機運を作ろうと思い、企業の取組評価を本にする企画を環境団体などに売り込みました。残念ながら実を結びませんでしたが……。
そんな学生時代を経て、卒業後は広告会社を経て友人と独立。話題になっていた『戦争広告代理店』(高木徹著)などを読んだのをきっかけに、PRに興味を持つようになりました。ピーアールコンビナートは当時から企業の「評判づくり」をスローガンにしていて、当時で言うCSRの業務も手がけていました。学生時代に自分が考えていたことにリンクしていて、それが形になっていくのが面白いなと思って入社を決めたんです。

二味崇(以下、二味):私の場合、きっかけは高校生のときです。高校が沖縄と交流があったこともあって、最初の社会科の授業は沖縄の基地問題から始まりました。そして定期試験の問題は「沖縄の基地問題について論ぜよ」と一行だけあって、あとは白紙で自由回答というもので……みんなどよめきました。そんな中で、授業の内容を自分の考えとともに自由に書いたら、たまたま90点くらい取れたんです。成績トップクラスの友人でも60点くらいしか取れない中、とても誇らしかったのを憶えています。それをきっかけに、社会科が好きになって熱心に勉強するようになりました。

そのまま大学も政治系の学部に進学しました。社会のことに関心を持ち続けていて、周りの友だちに比べても、自分は熱心にニュース番組をいくつも観ているという学生時代でしたね。周りとの意識の差にモヤモヤすることもありました。
卒業後は広告の制作会社に就職し、主にデジタル領域での広告制作に携わっていました。8年ほど経った2019年くらいから、SDGsやサステナビリティという言葉が自分の周りでもよく聞かれるようになって。企業活動のプロモーションやキャンペーンの仕事は、ある程度やりきって満足しているところでしたので、商品を売る目的ではなく、社会課題を解決したり企業のあり方を問うような仕事に関心が向くようにもなっていたんです。
サステナビリティ、SDGsを実現するには、政策など大きなところからルールを動かしていく必要が出てきます。自分たち30代や、もっと若い世代にも、社会のことを考えて行動するような意識がつけば、その先には政治に目が向くようになるのではないかと考えました。それで、この機運には乗らなきゃダメだと一念発起し、コロナ禍のまっただ中に転職活動をして、2020年10月にピーアールコンビナートに入社しました。
入社したらちょうど社内でサステナブルコミュニケーションチームを立ち上げたばかりだと聞き、募集に手を挙げて参画することになりました。とてもタイミングが良くて嬉しかったですね。

三樹:サステナブルコミュニケーションチームはグループ会社のオズマピーアールとの横断チームです。PRでもサステナブル領域の業務が増え始めていた状況を受け、社内のナレッジを集約しつつ、新たなチャレンジをしようとメンバーを集めたのが始まりです。外部の専門家を誘致しての勉強会なども行いながら、今後は社外との連携も仕込んでいる最中です。立ち上げ時のメンバーは私含む管理職社員が多かったのですが、若い世代にも参加してほしかったので、広くメンバーを募集しました。二味さんはじめ新メンバーを迎え、いっそう活気が出てきています。



企業は社会文化を変える役割を持つ。PRはそれをリードする旗振り役

三樹:持続可能な社会に関連する課題の多くは、既存の社会の価値観や習慣を、ときには大きく変えていく取り組みです。それを市民レベルまで推進するにあたって重要な役割を果たしているのが企業だと、私は考えています。
欧米では日本に比べNPOやNGOなど市民運動の力が大きく、啓発活動やアドボカシーを推進する力をもっています。これに対し、日本では企業の役割がより重要です。先進的に社会課題へ対応して、それを事業の優位性、ブランド価値向上、社員のモチベーション向上などにつなげることができれば、良い循環が生まれて企業と社会の成長を促す力になると考えています。
PRパーソンは、企業の価値となる取り組みを世の中に発信していくことをなりわいとしています。企業に対して、社会課題がどこにあり、どのように関わると企業の価値になるのかをアドバイスしながら、リードする役は、日頃、社会の潮流に目を配っている私たちPRパーソンが担うべきと考えていますし、今後欠かせない役割になっていくはずです。

二味:日本でもサステナビリティやSDGsの概念はよく知られるようになり、企業も生活者も、多少の差はあれど重要性が認識され始めています。ただ、そこにまだ実感が伴っていないように感じます。おそらく、サステナブルな選択をすることが、自分自身の生活や社会にとってプラスになることがより実感できれば、あとはどんどん加速していくと思うのですが。

三樹:そうですね。企業においても、いわゆる非財務領域の取り組み発信を、コミュニケーションの価値にどう転換していくかが非常に大事なポイントになってきます。価値といってもさまざまで、たとえば企業ブランドの向上は採用の面でも寄与します。マーケティングの領域では、消費者の購買条件の中でも環境への配慮は徐々に優先順位が高まってきています。
そういった多様な価値をきちんと可視化し、生活者から支持いただくことでそれをまた企業のモチベーションにしていく。そんな良い循環をうまくつくっていくことが大切です。

社会の中でサステナビリティが当たり前の価値観になるように道筋をつくる

三樹:企業の中では、価値をある程度数値化して示すことができないと、経営的な必要性が顕在化できず、継続的な実装が困難になります。サステナブル領域のコミュニケーションにおいても、数値化に苦慮している企業が本当に多いです。
サポートする私たちPRパーソンも、今後チャレンジしていくべきテーマはそこにあると考えています。 私たちが発信する情報に企業が伝えるべきメッセージがきちんと含まれているか、また情報発信した結果どういう反響があったのか、きちんと検証して成果を数値にして示していくことが求められるようになっています。

二味:私は生活者の意識に働きかけることも大切だと考えています。生活者にとってサステナビリティは、個人の視野をかなり大きく、いわば地球規模にまで広げて考えなくてはいけない課題です。人間を含めて地球上のすべてのものが、どう折り合いをつけて生き延びていくかという話であって。
それだけ大きくて複雑な話に対して、自分なりの態度をつくらなくてはならないわけですが、それが難しいとしたら、それは情報を知らないからだと思うんです。私たちPRパーソンは、ファクトをきちんと検証して、最適な手法で情報を伝える・コミュニケーションすることに長けています。企業の支援をしながら、正しい情報をきちんと生活者に届けることを意識して仕事にあたりたいと考えています。

三樹:目先の満足も大事ですが、もはや短期的な利益だけでは、企業も社会全体も長く生きながらえることはできないような時代になっていますからね。
究極的なことを言いますと、個人がことさらに頭で考えて判断しなくても、一人ひとりの日常の行動や習慣が社会環境を自走的に向上させていく状態が理想だと、私は考えています。社会変革に向け力強く前進するには、やはり国や行政、企業の力は不可欠ですし、PRパーソンも経営や社会の状況に応じた大局的な視点を持ち伴走していくことが求められます。

自社の価値を誰にどう届けるべきか、戦略的なサステナブル・コミュニケーションを

三樹:今後取り組んでいきたいのは、先ほどもお話したように、ESGやSDGsを含むサステナブル領域の企業コミュニケーションが、単なる社会貢献のアピールに終始するのではなく、コミュニケーションも事業の一つとして価値に落とし込んでいくことです。価値の数値化に関して成功事例をつくり、より広げていくことが目標のひとつです。
また一方で、企業に対するサステナブル・コミュニケーションの啓発にも取り組んでいきたいと考えています。
人間関係においてすべての人に好かれようというのは難しいですが、それは企業も同じです。これだけメディアが多様化している中、とるべき戦略は全方位型ではなく、自社のステークホルダーをよく見極め、経営に有効な的を絞ったコミュニケーションを仕掛けていくことです。
全方位コミュニケーションを実現し効果を発揮できるのは、一部の企業だけです。自社の状況を見誤り、挫折してしまう企業が増えると、せっかく盛り上がっているサステナブル社会実現への機運が、一過性のブームとして勢いをなくしてしまうかもしれません。諦めモードになってしまうと元も子もないので、より戦略的で実利的なコミュニケーションを展開していく必要があると思います。

二味:私はPRパーソンのキャリアは3年目で、まだまだPRの基礎を勉強中という身です。サステナブルコミュニケーションチームでも、活動の中でいろいろ学びを得ています。
必ずしもCSRやコーポレートPRの領域でなくても、サステナビリティの要素を取り入れることは可能です。例えば商業施設で、イベントで使う飲食の容器をプラスチックではないものにする、発電エネルギーを自給燃料にするといった取り組みもサステナビリティの一環。小さなことからでも実践を積み重ねていきたいと日々考えています。
また、前職でのデジタル領域の経験やスキルをサステナビリティ支援と掛け合わせて、新しい提案をしていきたいとも思っています。今はまだ模索中ではありますが、これから5年、10年経った後に、社会のためになって、自分の生きがいにもなるようなことを見つけられたら嬉しいですね。

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