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研究会ブレーンが、独自の視点で「評判づくり」を語るコラム

第65回 学校のトイレと評判づくり

加藤篤氏 NPO法人日本トイレ研究所 代表理事
加藤 篤 氏

1997年からトイレ調査やシンポジウム等の企画・運営に従事し、現在、NPO法人日本トイレ研究所 代表理事。
野外フェスティバルや山岳地などにおけるトイレ計画づくり、災害時のトイレ対策、小学校のトイレ空間改善、養護教諭を
対象にした研修会、子どもたちにトイレやうんちの大切さを伝える出前授業を展開している。

<おもな著作文等>
『元気のしるし朝うんち』(共著)少年写真新聞社.2010/『水の知』(共著)化学同人.2010
『震災時の避難所等のトイレ・衛生対策』保健医療科学.2010/『うんちっち!のうた』(作詞)日本トイレ研究所.2009

 

【今回のコラムは第67回当研究会セミナー(2011年9月開催)にてご講演いただきました、日本トイレ研究所の加藤篤様にコラムをご執筆していただきました。】

安心して排泄できるトイレ環境を整備することは、健康的な生活を送るうえで不可欠です。本来であれば、真っ先に改善されなければならないにも関わらず、置き去りにされているトイレがあります。それは学校のトイレです。ここでは、学校トイレ改善の取り組みをとおして評判づくりについて考えてみます。

近年、公共空間におけるトイレは、デパートやレストランが牽引して、大きく改善されました。その一方で、子どもたちが通う公立小中学校は、築数十年を経た古いトイレが多く、臭くて暗い雰囲気の空間になっています。子どもたちにトイレの印象を聞いてみると、「トイレの前をとおって階段へ行くときにすごくにおいがしていて、いつも鼻をつまんでいた」「いやなにおいがして行きにくいし、行きたくもない」「トイレがこわいのでひとりで行けない」などの声が返ってきました。

生活の場でもある学校において、このようなトイレ空間を放置していることは問題です。排泄を我慢していては、給食はおいしく食べられないし、授業に集中することもできません。

私たちは、1997年、学校のトイレ改善に取り組むため、第1回目のフォーラムを東京で開催し、行政、学校、保護者、団体・企業などが集い、情報共有と意見交換を行いました。この活動を自治体と連携して継続し、民間企業とは2007年に小学校でトイレ・排泄の大切さを伝える出前授業「うんち教室」を展開し、2010年は、簡易な方法でトイレ空間を改善する「小学校のトイレぴかぴか計画」をスタートさせました。この間に、文部科学省による学校のトイレ整備に対するトイレ単独補助制度が始まったこともあり、トイレ整備は着実に前進しています。しかし、全国の学校トイレ改善ニーズに応えるには、まだまだ十分ではありません。この動きがより活性化するよう、行政、企業、学校関係者との連携を強化しながら活動を推進していきたいと考えています。

学校トイレに関する15年間の活動を振り返ってみると、評判づくりとは、社会的な課題を見つけ、その改善の必要性について声をあげ、関係機関と連携しながら改善に向けて地道に行動することだと思います。異なる業界・分野の人が定期的に情報を共有する場をつくることも大切です。とくに継続ということに関しては、現場の声に耳を傾け、アクションプランを見直していくことが大切だと思います。

(2012年1月13日更新)


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